整形外科医の日常診療から Orthopedic surgeons blog

関節のお話 その3 膝関節の痛みについて

2016.06.13
カテゴリ:膝が痛い 関節
これまで関節の構造と機能についてご説明しましたが、今回はこのような関節が実際の加齢に伴い、関節軟骨の老化が進んで変形性関節症の状態になったときの症状と、診断についてお話ししましょう。

 

【症状】

初期症状としては、膝がこわばる感じ、正座した後、立ち上がるときの痛み、膝後方の張る感じ、歩き始めの痛みなどがあります。とくに中年の婦人で、肥満した方によく認められます。

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変形性膝関節症は、病気が進むと、膝のまげ伸ばしで雑音が聞こえたり、O脚やX脚がひどくなったりします。

膝に炎症が起こり、関節に水がたまることもあります。

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【診断】

整形外科では、立ったままの状態でX線撮影を行うとすり減った関節軟骨のなくなり具合がよくわかりますので変形性膝関節症と診断されます。

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さらに膝関節の中を関節鏡で見てみると軟骨に亀裂が入り、そこからすり減っていることがわかります。

このような症状が出たら早めに整形外科を受診することをおすすめします。早期に対処すれば手術せずに済むことも多いのです。

次回は治療法についてお話ししましょう。