整形外科医の日常診療から Orthopedic surgeons blog

関節のお話 その4 変形性膝関節症の日常生活での注意事項

2016.08.23
カテゴリ:膝が痛い 関節
前回は、変形性膝関節症の症状と診断についてお話をしました。今回は、痛んだ関節を修復するための方法についてのお話です。つまり、変形性膝関節症の治療法についてです。

変形性膝関節症の治療のためには、医者と患者さんとの協力がとても重要です。診療所で行う治療だけでなく、患者さん自身が行う、日常生活での注意と努力がとても大切で、これにより、はじめて治療の効果をあげることができるのです。

 

では具体的に、治療の為に是非とも日常生活で行っていただきたいことについてお話ししましょう。

病気の原因が、長年の関節の軟骨のすり減りなのですから、ご自身の痛んだ関節が修復するための時間を与えて下さい。膝関節の安静がとても重要です。

 

  • 階段の上り下りは、膝に負担をかけることになりますのて最小限にして必ず手すりを使ってください。
    70図01



  • 正座をすると膝が痛い場合は正座を避けましょう。
    70図02




  • 杖をつくと膝の負担が軽くなり、痛みを和らげることができます。
    70図03



  • お風呂や温湿布で膝を温めるのもよいでしょう
    70図04

  • 太りすぎると、膝に大きな負担がかかりますので太りすぎないように心がけましょう。
    (体重が3kg増えると、歩くときに9kgの負担が加わります)
    70図05



  • 適度な運動はよいのですが無理は避けましょう。
    また、靴はクッションの良い、靴底の厚めのものにしましょう。
    70図06


日常生活で最も大切な事は膝周辺の筋肉を鍛える事です。
次回は、変形性膝関節症の運動療法(筋肉強化)についてお話します。