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脇田整形外科に最新のCT撮影装置が導入されました。

2019.03.13
カテゴリ:放射線部門

平成31年の初頭にあたり、本年もあざみ野の脇田整形外科をよろしくお願いします。

今年の年末年始のお休みは少し長めにいただきました。実は正月休み返上の突貫工事で、診療所内のレントゲン検査室の拡張工事を行い、最新のCTComputed Tomography)装置を新設いたしました。(図1)

新たに設置したCT撮影装置は、16列のX線検出器を同時に動かし1回の瞬時の回転で最大32枚まで断層面の情報を分析できる高性能のマルチスライスCTです。また検出器の性能が飛躍的に向上したことによりX線の被爆も従来より大変少なくなっています。

では、この検査機械を用いるとどんなことがわかるのか具体的な例でご説明いたしましょう。

まず整形領域における、骨折の診断にとても役に立ちます。単純のX-P(普通のレントゲン写真)では、分かりにくい骨折(図2-1)も、CT画像を見れば、立体的にかつ確実に骨折形が画出されます。(図2-24

 

さらに関節周辺の複雑な骨折変形について正確かつ立体的に画出できます。骨折が関節表面の形状に影響を及ぼしているかを知ることは、治療法の決定(手術の必要性)に重要な情報となります。(図3)

高度な脊椎の側弯変形についてもCT情報から3D(立体)画像を作り診断することにより治療法の選択に役立つ情報となります。(図4)

 

その他多くの診療科に役立つ情報が得られます。脳神経科において脳の内部断面を画出できることにより、脳外傷及び脳出血脳腫瘍などの脳の状態を診断できます。(図5)

呼吸器内科では、肺の病変を立体的かつ明細に見ることができることにより、肺炎の程度、領域がわかります。さらに多くの肺疾患の診断に役立ちます。とくに肺がん診断には、威力を発揮します。数ミリの小さなうちの、初期の肺がんの病変を発見できることはとても有益です。(図6)

 

その他CT画像からは体の中のいろいろな情報を短時間に得ることができます。

次回はCT画像が心臓や腹部内臓器の疾患の診断にいかに役立つかを順番に説明させていただきます。

脇田整形外科 理事長 脇田正実

放射線技師長 石田勝也