整形外科医の日常診療から Orthopedic surgeons blog

知っていますか? 「フレイル」と「サルコペニア」(1)

2016.12.16
カテゴリ:栄養
最近時々耳にするようになった「フレイル」と「サルコペニア」。まだなかなか耳慣れない言葉ですが、2つとも健康長寿のために、避けてほしいことの一つです。

 











フレイル……… 「虚弱」という意味で、老化に伴い筋力や活動が低下している状態のこと。
サルコペニア 「筋肉減少症」のことで、加齢に伴う筋肉量、筋力、身体機能が低下していること。

 

似たような意味ですが、サルコペニアは筋肉が減少している状態で、フレイルはサルコペニアや骨粗しょう症、うつなども原因で、身体活動量が低下し、虚弱になっている状態と言えるでしょう。

「虚弱」と言われると、自分には関係ないと思いがちですが、まずは次の2つをチェックしてみましょう。

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結果はいかがでしたか? もしかしたらサルコペニア、あるいはフレイル予備軍以上に該当してしまったという方もいるのでは?

実は、日本の65歳以上の高齢者のうち、フレイルに該当する方が約11.5%、予備軍は32.8%(日本老年医学会HPより)であり、加齢に伴い、フレイルの有病率の割合は増えています。そして、介護の原因がフレイルによるものという割合も、年齢が上がるとともに増えています。

フレイルは悪循環で進みます。最初は少しの筋力の低下で、出かけると疲れやすい、早く歩けない、つまずきやすくなるなどというところから、外出する回数や身体を動かす機会がつい減ってしまい、さらに筋力低下が進む。そうするとさきほどの症状がますます進み、あまり外に出なくなる。人と接する機会も減り、気力も低下して、気がつけばフレイルになっている、というわけです。

また、メタボ体型の方もサルコペニア(筋肉減少症)に該当する場合があることも要注意なのです。

両方とも主な原因は、栄養と運動の不足です。



次の食事内容を見て、どのように思いますか?

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一見、栄養バランスがとれている食事のようですが、実はこういう食べ方を毎日続けていると、サルコペニアになる危険性があります。

理由は筋肉の材料となるタンパク質不足。この食事だと、朝食と昼食に主菜(タンパク源となる肉・魚・卵・大豆のおかず)がなく、成人男性の一日に推奨されるタンパク質量の3/5位、女性でも2/3位しか摂れていないのです。

サルコペニアやフレイル予防のために、具体的にどういうことをすればよいのか、次回、食事や運動の話を中心に、詳しく紹介していきたいと思います。

 

脇田整形外科のメディカルフィットネスには、サルコペニアを防ぐための筋肉トレーニングができるマシーンも用意してあります。ぜひお立ち寄りください。

 

メディカルフィットネス

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管理栄養士・健康運動指導士  伊藤 久子