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109号 変形性膝関節症の患者さんのための運動療法

2023.04.18
カテゴリ:膝痛

日常生活の注意により膝関節の安静が得られることで痛んだ関節軟骨が修復します。膝関節の機能回復には運動療法を行うことがとても重要です。

膝関節を動かすことにより、関節液が関節軟骨に浸透し、関節軟骨細胞の栄養と酸素の供給が得られるのです。さらには関節周囲の筋力強化を行うことによって歩行時の膝の安定性が得られ、痛んだ膝関節の安静と疼痛の軽減に効果があります。

よく膝の周辺の筋力を鍛えるために長時間の歩行や階段の上り下りや体重をかけてのしゃがみ込む体操(スクワット)をやられる方が多いですがこれはかえって関節を痛める方法になります。

 

おすすめの体操は以下の2つです。

膝関節運動療法は、痛んだ下肢に体重をかけないで行うことが重要です。

 

① 大腿四頭筋の強化運動
膝関節を進展した状態で、5から10秒維持してください。このことで、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)の筋力が鍛えられます。朝・昼・晩30回ずつ行ってください。関節周辺の筋肉が強化されます。


 

 

② 振り子運動
腰を掛けて、膝の進展と屈曲を繰り返す運動です。このことにより、膝の関節軟骨へ関節液が浸透し、関節軟骨細胞への栄養と酸素を送る運動となります。関節を動かすことが大変有効であり、このことにより軟骨細胞が元気になり軟骨修復を図ることができます。毎日、朝・昼・晩50回ずつ、頑張って行いましょう。この運動は、関節に侵襲がないと言われています。

 

 

医療法人社団 裕正会 理事長 脇田 正実